iOSDC2021で登壇するにあたり準備したこと #iOSDC

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どーも!jollyjoesterです🙏

iOSDC Japan 2021楽しかったですね!

今回は4年ぶりにスピーカーとして参加したので、その際にした準備について紹介します。

なお、僕が発表した内容の方についてはこちら zenn.dev

本記事に書いたことはSwift愛好会でも軽くお話したので動画の方がいい方はこちらをご覧ください。 t.co

iOSDCのProposal

iOSDCではセッションが公募されます。

話したい内容についてのProposalを出せば、誰でも発表できる可能性があります。 Proposalを出すことはメリットしかないのでProposalを出しましょう!

なお、提出したプロポーザルはこのように1つのページとして公開されます。 fortee.jp

もし採択されなくても別の勉強会で発表する機会が得られたりもします。 なのでProposalは出しましょう!

Proposalどう作った?

コア

まずネタのコアとして「自分の中の体験と興味」を振り返りました。

みんな同じiOSアプリ開発をやっているので知識としてはだいたい同じことを知り得るはずです。ですが、どんな状況でアプリを開発しているか?どんなことに興味の偏向があるか?は人それぞれです。そこに独自の視点や解釈が生まれ、他の人に聞いてもらえる価値になると考えています。

自分の場合は、1年弱前に「CocoaPodsとCarthageを併用しているアプリをSwiftPMに移行しようとしてどハマリした経験」がきっかけでした。仕組みを理解することをサボり、ググって出てきた対処療法を適当に試したあげく無駄に時間を使ったという寒い記憶・・・です。が、いろいろ調べていくうちに各Package Managerの特徴と進化の経緯がおぼろげに見えてきました。

最終的に「各Package Managerの特徴を俯瞰的に理解できて、しかもそのような特徴になった歴史的経緯を紹介できればおもしろいし、役に立つのでは?」と思い立ったことで「振り返りながら学ぶPackage Manager」というテーマに繋がっていきます。

※なお、他にもいくつかコアとなるネタ候補はあったのですが、次に記すサブの項目を満たせずお蔵入りしています。

サブ

次にこのネタがProposalに耐えうるか、下記の項目でシミュレーションしてみました。

  • 需要確認
  • 過去事例調査
  • ターゲット限定
  • 運営の気持ちを想像

需要確認

まず、ネタが自分以外にも需要があるかを確認しました。

自分の場合は毎月やってるSwift愛好会やアプリ開発のメンタリングでの会話、Twitterなどを観測しました。

その結果、次のような構図がありそうと思いました。

歴代Package Managerと格闘している猛者 >>> 超えられない壁 >>> 詳しくない勢

この格差をちょっとでも埋められるコンテンツであれば需要はあると判断しました。

また、将来的にはSwiftPMが有望*1とは思いつつ、まだまだ併用したり移行したりする必要があるシーンは多そうなのでCocoaPodsやCarthageも含めたPackage Manager全体の理解は需要がありそうだとも判断しました。

過去事例調査

需要がありそうだとわかったところで、次に過去の発表事例の調査を行いました。

2~3年遡ってPackage Manager関連の発表を調べます。 fortee.jpには未採択のProposalも含めて過去の履歴が残っているのでとても助かりますね。

結果、CarthageやSwiftPMにフォーカスしたセッションはあるもののPackage Managerを俯瞰して扱ったものはなさそうでした。これでまた一つネタを発表する価値がありそうという確信に繋がりました。

ターゲット設定

ここで改めてターゲットを再確認します。

先に示した構図の「Package Manager詳しくない勢」(かつての自分)をターゲットとし、この層が壁を乗り越えようとするきっかけにしたいと思いました。

歴代Package Managerと格闘している猛者 >>> 超えられない壁 >>> 詳しくない勢

なので、わかりやすさと全体感の理解を重視した内容にしようという方向性を固めました。

運営の気持ちを想像

仕上げとして検算的に運営(というかProposalを審査する人たち)の気持ちを想像してみました。

🤔 「おそらく運営はiOS界隈を盛り上げたいと思っているだろう。界隈を盛り上げるには先端的だったり高度な内容以外にも歴史的経緯や教科書的な内容も必要と判断して全体のセッションの構成を作るのではないか?ならばこのテーマ設定はイケるんではないか」

完成したProposal

以上のような思考を経て、次のようなProposalを作りました。

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振り返りながら学ぶPackage Manager by jollyjoester | トーク | iOSDC Japan 2021 #iosdc - fortee.jp

結果採択🎉(なお、いろいろ考えていた狙いが当たったかどうかは知りませんw)

あくまで考え方の1つの例として参考になれば幸いです。

事前収録

さて、次にセッションの収録です。

昨年に引き続きiOSDCはフルオンラインで開催されました。セッションは事前収録したものを当日流します。

事前収録はZoomを使ったオンライン発表を録画する形で行います。Zoomの様子をYouTube Liveで確認でき、どのように写っているかも確認できます。この事前収録の仕組みは非常に優れたものなので開発者のtomzohさんの記事を読んでみることをお勧めします。PHPerKaigiでも発表されるそうでセッション動画が楽しみです。

難しかった点・工夫した点

この「セッションの事前収録」は慣れないとけっこう難しかったです。

僕の場合は結局3回収録することになりました。

  • 1回目→セッションが長引いてしまって強制的に収録終了になった・・・
  • 2回目→資料けっこう削ったのにまた長引いてしまい収録時間が終わった・・・
  • 3回目→原稿をしっかりかいた。のに2分オーバーしたw

オンラインの発表のように反応を見て話す内容の濃淡を調整しにくく、長引いてしまったように感じました。なので原稿をしっかり書くということを初めてちゃんとやりました。

それ以外にも意識した点が次の項目です。

  • ゆっくりしゃべる
  • 適切な間を取る
  • 笑顔
  • カメラ目線
  • テンション高く!

ゆっくるしゃべる

オフラインだとかなり早口でしゃべってもちゃんと伝わりますが、オンラインだと通信環境や微妙なラグのせいでゆっくりしゃべらないとわかりにくい場合があると感じました。

なのでゆっくり一定のペースでしゃべるようにしました。

適切な間を取る

ゆっくり一定のペースでしゃべると、わかりやすいものの平坦でつまらない感じのしゃべりになってしまいました。

そこでセクションごとの変わり目や視聴者が解釈の時間が必要そうなときに適切な間を取るようにしました。

笑顔

笑顔を意識的にキープするのも意識しました。

1回目の収録を確認したところ、表情が死んでいるおっさんの顔が写ってて驚愕しました。。。(人を目の前にしていると自然と表情が豊かになるものなんですね)

カメラの先に視聴者がいると想像して無理やり表情を作ろうとしてました。

カメラ目線

カメラ目線も重要だと感じました。

ついPCの画面の真ん中を見ながら発表してしまうのですが、それだと目線が下の方を向いてしまいます。

スライドを見ていてあんまり顔は見てないかもしれないけど「あなたに向けて話してますよ!」感を出したくて、PCのカメラのすぐ下に原稿を置いて話すようにしました。

テンション高く!(ちょー大事)

最後に書いてますが、実はテンション高く発表するということが一番大事かもしれません。

笑顔のときもそうですが、部屋で1人で収録するとテンションがめちゃくちゃ低い!なので強制的にテンションを上げるようにしました。

例えば最初に「どーも!ジョリージョースターです!」みたいな挨拶を大きな声でするパートを入れて、無理やりスイッチを切り替える意識しました。

結果は?

いろいろ意識したつもりですが、結果どれだけうまくできたかはよくわかりませんw

動画を見てみた方はぜひフィードバックください!

当日

当日はもう収録は終わっており、特に大きくやることはないのですが、妙な緊張をしていました。自分のセッションを自分で見る、というのは変なものですね。

とりあえずどうにもできないので精一杯視聴者のみなさんと一緒に楽しみました!

  • 自分の発表にニコ生で自らコメントするとか
  • 参考文献や時間の都合で省いた補足等をTwitterで投げるとか

まとめ

ということで登壇にあたってやってきたことを書いてきました。今後Proposalを出したり、事前収録したりする方の参考になれば幸いです。

書きながらiOSDCを振り返っての感想としては「めっちゃ楽しかった!来年もまた何か発表したい」です。優れたセッションがたくさんあって刺激になったし、来年のためにネタを積んでいくやる気がでました。まだ見れてないセッションも頑張ってみるぞ!

ありがとうiOSDC運営のみなさん!

余談

その1:iOSDCはスピーカーになるとみんなが知ってる「あの声優さん」に自分の名前を呼んでもらえるのですが、今年はマダオ*2立木文彦さん)にセッションのタイトルと自分のIDを呼んでもらえて最高でした🙌

その2:Package Manager詳しくない勢のためのセッションだったのにAsk the Speakerでガチ勢の方々に囲まれたのはいい思い出(キャプチャしとけばよかった)。

*1:実はProposalを出した当時はSwiftPMが実用的になるのは1年くらい先かな〜と思っていたのですが、急速に進化して発表当時はもう十分実用的だなと思いました

*2:銀魂に出てくる愛され無職キャラ。まるでダメなおっさんの略